こんにちは、大阪営業所の藤咲です。
今回は和室の天井表面の柄の剥がれと床の間の色剥げ(色抜け)のリペアを行いました。最近は和室が無い住まいも増えてきていますね。
まず現状の確認です。天井も床の間も大きな凹みなどは無く、表面がガサガサしている状態でした。
それでは天井から手を加えます。和室の天井にはいろいろな種類がありますが、今回は「目透かし天井」です。すっきりした印象の納まりですね。天井板の表面はラミネート加工されていて、通称ラミ天と呼ばれます。特殊な紙に木目を印刷してラミネート加工されているのですが、強めのテープを貼って剥がす際に表面が剥がれたようです。
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紙の四つ角を囲うようなテープを剥がした跡が捲れています。
下処理と成型を行い、ひたすら筆で木目を丁寧に丁寧に描きこみます。
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天井まで顔を近づけると描いたことがわかりますが、日常生活で普通に見上げる分にはよほど目を凝らさないとわかりません。
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次に床の間になります。地板と呼ばれる部材で畳と同じ高さに張られた床板を指します。お客様曰く表面に水滴をこぼし放置していると色が剥げてしまったとの事です。この板は見る方向によっては色が変わるように見えるという特徴があります。それが本物の木の美しさということですが、リペアを難しくする点でもあります。
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中央部に4~5㎝ほどの色剥げがあります。
ラミ天同様下処理成型を行い、ひたすらに木目を描きますが、見え方が変わる地板では見る方向を変えたり何度も色を調合しぼかすように描きます。
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シミのようになっていた色剥げは消えてはっきりとした木目が見えるようになり完了です。
両方合わせて5時間程の作業になりましたが、お客様にもご満足いただきよかったです。